足切りされない論文を書くためにはどうしたらいいのかな
- 論文で足切りされる人の割合
- 論文で足切りされる原因
- 論文で足切りされないためにすべきこと
元裁判所書記官、現県庁職員。
二度の公務員試験では論文で足切りされることなく、さらに二度目の試験では、添削なしの独学で論文試験を通過することができました。
また、裁判所時代には論文の採点を担当したことがある人に話を伺う機会があり、色々と情報を聞くことができました。
公務員試験において、もっとも恐れられていると言っても過言ではないのが、「論文の足切り」でしょう。
論文試験は上達が目に見えず、採点も人によって異なります。
そんな対策が困難だと思われる論文試験に、足切りがあるのはかなり恐怖ですよね。
今回は、論文で足切りされる答案の特徴から、対策方法までを紹介し、足切りされない論文について書いていきます。
この記事を読めば、論文の足切りに対する恐怖は薄れますよ!
目次
【公務員試験】教養論文で足切りされる人の割合
論文で足切りされてしまうとそこで試合終了。
どれだけ択一試験ができていようが、論文ができなければ意味がなくなります。
つまり、論文で足切りをくらえば、今までの勉強が無駄になるってことです。
どれだけの人が足切りにあうんだろう?
たしかに、論文試験の足切りは怖いですが、恐れることはありません。
なぜなら、毎年論文で足切りになってしまう人は少数だからです。
【国家一般職論文試験の評価割合】
評価割合 | |
---|---|
6点 | 3.7% |
5点 | 23.3% |
4点 | 47.4% |
3点 | 22.2% |
2点 | 3.4% |
例えば、国家一般職の論文試験の評価割合はこんな感じです。
2点が足切りの点数となります。
3.4%としかいませんよね。
30人いて一人が足切りになるイメージです。
逆に考えると、97%もの人が足切りにならずに済んでいます。
足切りになる人ってこう考えると少ないですよね。
これは国家一般職の割合なので、地方自治体の数字はもう少し高くなるかもしれませんし、もう少し低いかもしれません。
ただ、そこまで足切りで人数を減らすとは考えられないので、おおよそどこの試験種でもこれぐらいの割合になるのかもしれません。
ただ、足切りにならないための対策は打っておいた方がいいでしょう。
足切りされる論文にはしっかりとした理由があります
論文試験に足切りが存在する理由
なぜ、論文試験に足切りの制度があるのか。
それは、採点するレベルに至っていない答案をはじくためです。
要するに、そんな答案は採点しても意味がないし、時間の無駄ってことです。
ものすごい数の論文を採点するので、採点の効率化を図っているのですね。
足切りされる論文の特徴
採点レベルに達していない答案をはじくために足切り制度があることから考えると、以下のような答案が足切りにあいます。
まずは、形式面。
- 答案に名前が書いていない
- 受験番号が抜けている
- 誤字脱字が多い
- そもそも字が汚くて読めない
誰が書いているのかわからないし、何を書いているのかわからない。
それだと当然足切りになりますよね。
正直、このレベルで足切りされるのは論外です。
公務員は正確性が求められる職業です。
うっかりミスだったとしても、それをしてしまえば一発でアウトなので注意です。
次に、内容的なものです。
- 文字数が足りていない
- 問題文の趣旨に沿う論文が書けていない
ある一定の文字数に達していない論文は足切りになります。
採点の効率化です。
あとは、長さは足りているけど、問題の趣旨とかけ離れた内容の論文になっていることです。
問題文とは関係のないことを論じているのですから、得点が低くなり足切りとなります。
論文試験にも当然採点基準があって、それに照らして採点できませんからね
対策すべきなのは、この内容面での足切りです。
形式面での足切りは注意すればだれでも回避できます。
でも、内容面での足切りは、日頃から意識して論文を書く練習をしていないと、回避することができません。
内容面での足切りは誰にでも起こりうることですので、意識して対策することが必要です。
論文で足切りされないための対策
まず、形式面で足切りされないために、本番の試験では、受験番号漏れ、誤字脱字等には注意してください。
これが前提となります。
次に、内容面、つまり、文字数が足りないことや自己満足型論文を書くことで落ちてしまわないためにすべきことは、以下の二つです。
- 長い文章書く練習をする
- 問題文の趣旨にそった論文を書く練習をする
詳しく解説します。
論文で足切りされないために:長い文章を書く練習をする
長い文章を書くことに慣れてる人は練習する必要はありません。
ただ、文章を書くことが苦手な人は何度も練習すべきですね。
慣れていないと、60分で800文字とか1000文字の文章を急に書けと言われても書くことはできません。
私もこの文章をパソコンで書いていますが、かなり時間がかかります。
ブログと同じにするなと言われるかもしれませんが、慣れていても文章書くのって難しいということです。
長い文章を書くためにすべきことは練習に尽きます。
この事実はしっかりと受け止めましょう!
自己満足型の文章を書かないための練習にもなります。
論文で足切りされないために:問題文の趣旨に沿った論文を書く練習をする
次に、問題文の趣旨と合致していない文章を書かないための対策です。
確かにおっしゃる通りですが、他にも対策方法はあります。
- 答案構成を必ず作成する
- 問題解決型の論文を意識する
答案構成は必ず作成しましょう
論文試験が始まったら、即座に書きはじめる人がいます。
答案構成なしで書き始めるのは絶対にやってはいけないことです。
なぜなら、自分でも何を書いているのか途中で見失ってしまうからです。
目の前にある問題文に対する適切な回答、つまり論文のゴールを見失ってしまいます。
長い文章を書いていると、あれもこれもと書きたいことを書いていってしまって、よくわからない主張の文章になってしまうわけです。
これは多くの人が経験あることなんではないでしょうか。
それを回避するために、試験が始まったらまず答案構成を練ります。
具体的には、60分の試験なら、10分から15分ぐらいを使って、余白に構成を書きだします。
書きだす内容は、おおざっぱな内容で構わないです。
大きくは段落の構成を考え、その後に、その一つ一つの段落内での主張、理由、根拠などを考えます。
本当にざっくりと書いていきます。
そして、あとはその構成通りに文章の肉付けを行っていくだけです。
最初に構成を考えているから、早く書き終わるんだ!
むしろ、考えながら書いていると60分じゃ時間が足りなくなる場合が多いよ!
論文の型を学ぶ(問題解決型の論文を書けるようにする)
問題文の趣旨からかけ離れた論文を書く人は、注意散漫なことが原因になっている人もいますが、問題文の内容をしっかりと把握していないことに原因があります。
では、問題文の趣旨を適切に把握するためにすべきことは一つです。
問題解決型の論文を書けるようになることです。
問題解決型の文章を書くことが出来る人は、問題文の趣旨からかけ離れた文章を書くことはありません。
なぜなら、必ず問題文が提示している問題点を洗い出してから、それに対する解決策を文章で提示するからです。
つまり、書き始める前に問題文の分析を必ず行うので、問題文の趣旨からかけ離れた文章を書くことはありえないというわけです。
この論文の型を身に着けていない人は、何となく問題を読んで、何となく論文を書いている場合が多いんです。
足切りされない論文を書くためにも、論文の型を身に着けておいた方がいいでしょう。
この論文の型を身に着けることが出来る参考書や足切りされないために必要な知識を身に着けることができる参考書を以下の記事で紹介しています。
まとめ:対策すれば論文で足切りされることはない
形式面で足切りされてしまうのは論外
問題の趣旨に沿った、ある程度の長さの論文を書くことができれば足切りされることはない
論文で足切りされる人は少数です。
今回紹介したことを実践できれば必ず採点される論文を書くことができます。
論文で足切りされるという最悪の事態を避けるために、最低限の準備はしておきましょう。